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「ごっぽ石」と呼ばれるもの

2018年12月18日

 

突然江戸時代にタイムスリップ

したかのようなエリアがあります。

 

 

長町武家屋敷跡です。

 

 

 

 

藩政時代の屋敷がそのまま

残されており、

道は細くてぐにゃぐにゃ、

つらつらと続く土塀の茶色が

ひたすらノスタルジックな。

そんな素敵な場所です。

 

今回ここで見て欲しいのは、

それら江戸期の建物ではなく

足元。

よーく注意して見てみると

屋敷の周辺所々に丸い石が

ぼこっと植えられて(←?)

いるのが分かります。

 

「ごっぽ石」と呼ばれるもの

 

 

江戸時代季節は冬。

当時は当然スニーカーも

ゴム長靴もなく。下駄。

 

雪降る中に下駄はない

だろうと思いますが、

まあ天気のいい日は

下駄履いてカランコロンと

歩いてたそうです。

 

ただ下駄ってヤツは雪道で

履くと段々歯の間に雪が

詰まってくるんですね。

それも一歩一歩歩くたびに

踏み固まって、段々ゴツゴツしてきて。

いい加減うっとうしくなってくる。

 

そこでその歯に詰まった雪を

落とすために、

このごっぽ石にコーン!コーン!と

ぶつけて落としたそうなんです。

 

特に人の家を訪問する際。

下駄に雪をごっそりと噛ませた

まま入ると、後で溶けて土間を

水でびちゃびちゃにしてしまう。

 

だから家の入口には必ず

このごっぽ石があって

訪れたお客さんは、

まずここで下駄の雪を

たたき落としてから家に

入ったそうです。

 

家の方でも玄関の方で

コーン!コーン!って音が

聞こえると

「お客さんが来た」と分かったそうで。

まあ今で言うピンポンチャイム的

な働きもしたらしいです。

 

なるほどね!

石ひとつにも歴史ありですね。

 

なお「ごっぽ石」ってのは

「ごぽっ!」っと雪が取れる

からじゃなくて

雪の中に足が埋まる様子を

「ごぼる」と言ったからだと

言われています。

 

江戸時代の情緒が

今によみがえる長町武家屋敷跡。

 

訪れた際にはぜひその建物や

風情だけでなく足元にもよーく

注意してご散策ください。

武士の真似してコンコン

蹴ってみてもいいけど。

壊さないでね(笑)。

 

 

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